粘土造形作家の仕事場

猫の仏像を作っている作家とお話をしたことがあります。

彼は海洋堂が主催するコンテストにも入賞するほどの腕前でこれまでも様々な造形を依頼されている方です。

石粉粘土というとても肌理細かい粘土を使って造形して行きます。

粘土を使ってモデリングするとは、要するに粘土細工なんですが、しかしよく聞いていると私たちが小学校で体験した粘土細工とは相当に違うことに気が付きます。

まず私たちは粘土を貼り付けては整形、整形しては剥がしたり貼り付けたりでヘラ等を使って粘土が自由自在になる状態で作業していくイメージではないでしょうか。そして完成したらそのまま乾燥させていく。

ところが彼の場合、粘土を丸める、削る、貼る、この辺りは私たちと同じようなのですが、でもある程度の成形までしかしないのです。つまり細かなところは手をつけずそして乾燥をさせていきます。

そしてここからが彼の造形のテクニックであるのですが、乾燥させた粘土をひたすらサンドペーパーで削りそしてカッターナイフで削り、そしてまたサンドペーパーで削る、その作業の繰り返して精密な造形を作り出すのだそうです。

ですから工房の中はいつも粘土を削った粉が舞っていて真っ白に煙っている様な状況になっているそうです。

とてもアーティスティックな工房とはいえず、ほとんど小さな町工場のような雰囲気になっているそうです。

もちろんパソコンのような電子機器や電気製品も置けない状況だそうです。

これが造形作家の仕事場の風景かと思うとやはり普通の人にはなかなか到達できない世界かと思ってしまいます。